こんにちは、ウミガメ(@umigametool)です。
ドライバーで人気のメーカーVESSEL(ベッセル)。
最近では電動×手動で回せるハイブリッドドライバー「電ドラボール」が爆発的な人気で話題になりました。
そんなベッセルから、またまた魅力的な工具が販売されました!
それが電動スリムラチェット「400ER3」です。
これまで電動ラチェットはかなり大型のものが多く「使えないワケじゃないけど疲れる」「用途がかなり限られる」といったものばかりでした。
ベッセルの電動スリムラチェットはその名前通りかなりスリムな形状となっています。
販売前からすでに話題になっている工具ですが、細かくレビューしていきたいと思います!
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のセット内容
セット内容は
・ラチェット本体
・充電ケーブル
・3/8SQアダプター
の3点となっています。
必要最低限ですが、工具がある程度揃っている方は十分ですね。
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のメリット・おすすめポイント
使いやすいサイズ感
これまで電動ラチェットは色々なメーカーからも発売されていました。
そのどれもがハイパワーな代わりに本体が大きいものばかり・・・
サイズが大きい(長い)ことで、手動である程度硬いボルトナットも緩めてそのまま電動で早回しをできていました。
使えるには使えるのですが、使える場面がかなり絞られるイメージでした。
本記事で紹介するベッセルの電動スリムラチェットはこれまでの電動ラチェットに比べるとかなり小型化されています。
小型化されたことでかなり使う場面が増え、色々な箇所で活躍しやすい工具となっています!
手動は最大60Nmまで対応
電動スリムラチェットは電動で早回しを行い、手動で最初の緩めや最後の締めつけを行います。
手動ではどれくらいのトルクまで使えるのか気になるところかと思いますが、60Nmまで対応しています。
60Nmがどれくらいの強さかを言葉で説明するのは難しいですが、かなり強く締め付けないと60Nmは出ないかと思います。
そもそもラチェットがかなり小型(全長が短い)なのでそこまでのトルクを掛けることはほぼ無いですね(笑)
400回転/分のスピード
電動スリムラチェットは無負荷回転速度が1分間に400回転(400rpm)となっています。
他メーカーの電動ラチェットやエアラチェだと250rpm~350rpm程度のものが多く、比較するとその回転スピードが分かるかと思います。
私がおすすめしているインパクト機能付きのエアラチェが500rpmと、さらに早い回転スピードではありますが、実際に使ってみるとそれに近い感覚で使用することができました。
スピードに関しては特に不満は無くスピーディに作業できました。
関連記事:【反動無し】ハイパワーで使いやすい!SP-AIRのミニラチェパクト「SP-7722A」を紹介【高トルク】
タイプCでの充電式
充電はUSBのタイプCとなっています。
スマホやスピーカーなど現在ではタイプCが使われているものが多く、それらとケーブルを共有することができるのは嬉しいポイントですね。
コンセント周りをスッキリさせることができますし、万が一ケーブルを無くした場合でも代わりを持っていたり人に借りやすくなっています。
色々試した訳ではありませんが、アダプター(電流値?)によっては充電できないこともあるようなので注意が必要です。
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のデメリット
回転の切り替えをビットの差し替えで行う
電動スリムラチェットは回転方向の切り替えをビットの差し替えで行います。
このラチェットの構造上仕方のない事ではありますが、通常のラチェットのように切り替えが付いているものと比べると少しだけ煩わしく感じました。
とは言えそんなに頻繁に回転方向を変えることも少ないと思います。
ホントに「ほんの少しだけ面倒」程度ですね。
ちなみにソケットのサイズを交換する時はソケットのみを引っ張る。
回転方向を替えたい場合はヘッド中心部(画像親指のところ)を押すことでアダプターごと外しやすいです。
ギアの重さ
手動で回す際、ギアが少し重く感じます。
ヘッドは60ギアで、現在主流の72~100ギアと比べると少なめとなっています。
強度を出すために少なめのギア数にしてあるのかと想像していますが、他のハンドツールと比べると手動ではやはり回しづらい印象ですね。
そもそも他のハンドツールと比べる事自体が間違っているのかもしれませんが、手動ももう少し気持ちよく回せたら嬉しかったですね。
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のサイズ・重量
全長
全長は215mm。
通常の手動ラチェットで使われるのが長いもので300mm、短いもので160mm程度のものが多いです。
本製品はその間くらいの長さになっています。
ヘッドの外径・厚み
ヘッドの外径は27.3mm。
このサイズのラチェットと比較すると普通~小さいくらいですね。
厚みは15mm。
他メーカーの小判型と比べるとほとんど変わらないくらいです。
アダプターまで入れても27.5mm。
ヘッド自体は割と小ぶりで、狭い所でも使いやすそうです。
グリップ径(最大部)
グリップは一番太いところで34.2mm。
太くもなく細くもなく、ちょうど持ちやすいですね。
質感はソフトなゴムのような感じ。
スナップオンなどのソフトグリップに近いです。
重量
重量は313mm。
重量自体は意外と重くなく、むしろ感覚的には軽く感じます。
重量については後述でもう少し細かく説明しています。
実際に持ったところ
実際に持ったところです。
今までになかったサイズの電動ラチェットなのが分かるかと思います。
サイズ感の参考にどうぞ。
セット商品「400ER3-1M」と組み合わせおすすめ商品
400ER3-1M
本記事で紹介している「400ER3」に加え
エクステンションバー(75、125mm)
ユニバーサルジョイント
ビット(+、-、トルクス、ヘックス)
ソケット9個(8~19mm)
までがセットになったものです。
私のようにソケットやビットは揃っているという方にはおすすめできませんが、家庭用や持ち運び用としてある程度の工具を揃えたい人にはとても良いセット内容となっています。
人にプレゼントしたい場合なんかもこちらの方が揃っていて良いですね!
DEEN:ビットアダプタ「DNBT14SQ-S」
1/4SQのビットアダプタ。
アダプタは3/8SQのものが付属していますが、1/4SQのものも持っていたら便利そうです。
3/8SQと1/4SQではソケットの外径なんかも違うので助かることもあるかと思います。
このアダプタ自体は価格も安いので持っておいても損は無さそうですね。
SIGNET(シグネット):ビットツイスターセット「11733」
ツイストラチェットとビットがセットになったものです。
電動スリムラチェットと組み合わせたいのはこの中のソケット。
差込がSQではなくビットになっています。
そうです。
このセットに入っているソケットを使うとビットアダプタを使う必要がなくなります!
細かいところではありますが、ビットアダプタの有無で作業性は結構変わります。
ストレスなく作業したい人にはおすすめ。
ソケットビットは長い物はたくさんありますが、短いものはほとんど見かけません。
ビットアダプタ+ソケットよりも高さを低くできるのでその点でも活躍してくれそうですね。
TOP工業:コンパクトソケット8本セット「EDS-719CS」
もちろんディープタイプのソケットビットも持っておいたら便利です。
ビットアダプタ+エクステ+ソケットの3点を1つにまとめることができるので付け外しが楽ですし作業効率も上がります。
サイズ違いで8本入ったセットを紹介していますが、必要なサイズだけ長さ違いで揃えるのも良さそうですね。
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のその他感じたこと
実際に使ってみて「メリット、デメリットのどちらとも取れる」「メリットにもデメリットにもわざわざ書くほどでもない」ようなポイントがいくつかありました。
そのあたりも感じたことを細かく書いていきます。
電動トルク1Nm
購入前から「電動トルク1Nmってどうなんだろう・・・?」と思っていました。
同メーカーの電ドラボールでも2Nmありますし、ラチェットという形状を考えるともう少しトルクがあっても良さそう・・・
と思っていましたが、実際使ってみると結構回してくれました。
普通のボルトナットではほとんど問題なく回せそうです。
ただ、錆びたりして回りづらくなったボルトナットは回せません。
ホースバンドのように回すときに少しだけトルクが必要な場面でも使用は厳しいです。
公式での対応ボルト径はM10まで。
ボルトナットで言うと14mmくらいまでですかね?
正直個人的にはもう少し強くても良さそうに感じますが、トルクが強いと反動が大きくなって手を挟んだりすることもあるので良い面もあります。
慣れればほとんど不満も無くなりそうな気がしますね。
重量バランスについて
電動スリムラチェットは通常のラチェットと違って重心がグリップ側に寄っています。
グリップ側に重心が寄ることで、手に持った時に重量を感じづらく、実際の重量より軽く感じます。
結果、長時間使用しても疲れにくいです。
しかし、グリップ側に重心があることで手動で回すときに回しづらいです。
基本的に電動である程度までは回してしまうので手動でたくさん回すことは少ないと思います。
そこまで気にしなくても良さそうですが、やはり手動だけで見ると他のハンドツールに見劣りしてしまうという印象でした。
6.35mmの6角ビット
最初に6.35mmのビットと分かった時はちょっと残念でした。
というのも普段ビットをあまり使わないのと、使う事の多い3/8SQと比べると弱そうな印象を受けたからです。
もちろん強度的には3/8SQの方が強いとは思いますが、意外とメリットもありました。それが
・脱着がやりやすい
・ソケット以外(プラスやトルクス等)が使いやすい
などです。
そもそも強度的にもそこまでトルクを掛ける場面も無いのであまり気にする必要もなさそうです。
私のように「使い慣れてない」と言う方もいらっしゃると思います。
ソケットを新しく揃えたりする必要は出てくるかも知れませんが、使い勝手としてはそこまで悪くなかったですね。
スイッチ
電動スリムラチェットにはスイッチが一つだけ付いています。
正転逆転をヘッドの裏表で切り替えるので、正転時と逆転時でスイッチの位置が変わることに・・・
締め付け時:親指
緩め時:人差し指
でスイッチを押すことになるので、ちょっと使いづらいかも?と思っていました。
しかし実際使ってみるとそこまで使いづらい印象は受けず、むしろ慣れたら直感的にわかって使いやすいのかもしれません。
私の場合はあまり気にならなかったので、購入前に気にしている方は参考にしてみてください。
VESSEL:電動スリムラチェット「400ER3」のレビューまとめ
本記事ではベッセルの電動スリムラチェット「400ER3」を紹介させていただきました。
実際使ってみると予想以上に使えそうで「良い買い物をしたな」と感じています。
特にエンジンルームやアンダーカバーの取り外し、バンパーの脱着などで活躍しそう。
記事内では特に触れませんでしたが、価格も結構安くて買いやすいんですよね。
定価で19200円、大手通販サイトでは15000円を切っているところもあります。
電動工具にしては買いやすいかと思います。
よかったら工具選びの参考にしてみてください!