こんにちは、ウミガメ(@umigametool)です。
自動車の整備ではエンジンルームや室内での作業も多いです。
そういった場所で作業するときは「狭い場所」や「奥まったところ」にあるボルトナットを回したいことも。
しかし、自動車整備でメインで使われている3/8SQの工具だとどうしてもサイズが大きくなりアクセスできないことも・・・
本記事ではそんな狭いところなどで活躍するスナップオンのエクストラロング1/4ラチェット「THLLFD72」を紹介します。
Snap-on(スナップオン):フレックスラチェット「THLLFD72」のデメリット
高トルクでの使用に向かない
スナップオンの「THLLFD72」は1/4のラチェットとしてはかなり長いラチェットとなっています。
長いラチェットではありますが、シャフトも細く高トルクをかけるのには向きません。
差込が1/4SQ(6.35mm)ということであまり大きいサイズのボルトナットを回すことはほとんどないかと思いますが、注意が必要です。
あくまで「1/4SQのラチェット」ということを忘れないようにしましょう。
1/4SQ(6.35mm)の差込
自動車整備では3/8SQのラチェットをメインで使用している方が多いです。
使用されているボルトナットのサイズ的にも3/8SQがちょうどよく、1/4SQは「3/8SQのサポート」的な位置づけです。
人によっては1/4SQの工具は持っていないという方もいらっしゃるかもしれません。
実はそういう私も1/4SQの工具はあまり持っておらず、ソケットなどを追加購入する予定です。
最低でも六角ソケット(スタンダード、ディープ)、ヘックスソケットくらいは揃えたいです。
「デメリット」と書くのは間違っているかもしれませんが、1/4SQの工具を揃えていない方は高額になってしまうかもしれません。
Snap-on(スナップオン):フレックスラチェット「THLLFD72」のメリット・おすすめポイント
全長が長い
「THLLFD72」は1/4SQのラチェットとしてはかなり全長が長いラチェットとなっています。
この長さは他メーカーでは見かけない長さですね。
エンジンルームや室内では手が入らないような狭い隙間でボルトナットを回すこともありますが、この長さが生きることは多々あるかと思います。
よく使うような工具ではありませんが、持っていたら助けられる工具ですね!
ヘッド部が小さい
1/4SQのラチェットということもあり、ヘッド部もかなり小さくなっています。
上に書いた全長の長さもあり、狭いところや奥まったところで使用する事に特化したラチェットですね。
1/4SQという事を考えるとソケットサイズ(ボルトナットのサイズ)は14mm程度までのものになりますが、それ以上のサイズ(17.19mmあたり)になると恐らく他の工具(ラチェット等)を使用できるので問題は無いかと思います。
ギア(空転トルク)が軽い
「THLLFD72」はギアがかなり軽いです。
実際に空転トルクを計測したわけではありませんが、手で回してみると軽快に回せて気持ちいいですね。
グリップを持って実際に回してみるとラチェット自体の長さもありラチェットが回っているか不安になることも(笑)
(シャフトの長さで振動が伝わりづらいのかな?)
ちなみに品番からも分かりますが、ギアの歯数は72枚となっています。
Snap-on(スナップオン):フレックスラチェット「THLLFD72」の各部詳細
全長
THLLFD72の全長は313mmです。
画像を見ても長さが伝わると思います。
ちなみに長さはソフトグリップで計測しています。
ハードタイプのグリップだと303mmです。
重量
重量は189gです。
長さは長いですがマンガの単行本1冊程度とかなり軽量なラチェットとなっています。
重量が軽いこともあり、最初の一発を緩めた後にヘッドを持って回すような使い方をしても軽く回すことができます。
シャフト部径
シャフトの径はヘッド付近の太くなった部分で10.2mm。
グリップ側の細くなった部分で7.7mmとなっています。
実際に持ってみるとかなり細く感じますが、トルクの掛けすぎで折れたりする場合はシャフトではなく首振り部が折れることが多いようです。
ヘッド部詳細
ヘッド部の外形は22.8mm。
他メーカーを見ると最小というわけではありませんが、かなり小さい部類かと思います。
ヘッドの厚みは差込部を含めて21.0mm。
厚みも1/4ということで薄めですね。
実際に使用していても3/8SQのラチェットで入らない場所にこのラチェットで入ることがあったのでやはり狭い場所には強いと感じました。
グリップ部サイズ
グリップ部の長さは89.8mm
シャフトが邪魔でしっかり測れていないかもしれませんが、約90mmとなります。
グリップ径は一番太いところで20.5mm
力を入れるには少し細いですが、そこまでトルクをかけることもないので問題ありません。
逆に指に引っ掛けて狭いところで使いやすいです。
実際に持ったところ
実際に持ったところです。
持ってみると長さやシャフトの細さが際立っているかと思います。
サイズ感などの参考にどうぞ。
フレックスラチェット「THLLFD72」の差込部を3/8へ交換
本記事で載せている画像に所々に2本ラチェットが写っていますが、私は片方を3/8のヘッドへ交換しています。
既製品としては1/4のものしかないので、カスタムの部類になります。
3/8SQカスタムの方法
THLLFD72を3/8SQへカスタムする方法は2種類あります。
・ヘッド自体を交換する
・3/8SQリペアキットを使用する
の2種類です。
ヘッド自体を交換する
THLLFD72はかなり長いラチェットですが、ヘッド自体は他の1/4サイズのヘッドと同じです。
1/4サイズのヘッドで3/8SQのラチェットも通常ラインナップとして販売されています。(FCF72等)
ですので、ヘッドを入れ替えるだけで簡単に3/8SQへとカスタムできます。
私もこの方法でカスタムしていますし、バンセールスで購入する際に交換してもらったので追加費用もかかりませんでした。
ただこの方法は、すでにTHLLFD72を所持している方だとやりにくい方法ですね。
3/8SQリペアキットを使用する
すでにラチェットを持っている方で3/8SQへのカスタムを行いたい場合はリペアキットがおすすめです。
「ヘッドだけ購入」ということができないため価格を抑えることができます。
リペアキットを使用する場合はヘッドの形状(デザイン)に注意が必要です。
ボルトをロゴ側から留めてあるもの、裏側(差込側)から留めてあるもの、プッシュリリースタイプなど細かく違います。
また、1/4と3/8ではバックプレート(カバープレート)も違います。
バックプレートはリペアキットに入っていないかと思いますのでリペアを使う場合はバックプレートも忘れずに入手しましょう。
ちなみに私が持っているヘッドタイプのリペアキットはRKRFC72です。
3/8SQカスタムの注意点
ヘッド交換にしろリペアの使用にしろ注意したいのが「保証」です。
正規品として無い物をつくるので保証は効かない前提で考えておいたほうがいいでしょう。
また、私が行ったヘッド交換もバンセールスの人によっては対応してもらえない可能性があります。
バンセールスでの購入を考えている方は無理強いをしないようにしましょう。
実際に使用する場合も注意するポイントがあります。
1/4から3/8にしても高トルクに対応できるようになるわけではありません。
使用できるソケットなどの幅は増えますが、トルクの掛けすぎには注意しましょう。
Snap-on(スナップオン):フレックスラチェット「THLLFD72」のレビューまとめ
本記事ではスナップオンのエクストラロング1/4ラチェット「THLLFD72」を紹介しました。
実はこの工具を買った理由は「見た目が好きだから」でした(笑)
1/4ヘッドの小ささやシャフトの細さなど、とにかく見た目が好きだったので。
しかし実際に使ってみると3/8SQのラチェットではアクセスしづらいところで活躍することもあり、使用頻度は少ないかもしれませんが持っていたら助けられる工具だと思いました。
この工具自体が約2万円と安い工具ではありませんが、持っていたら作業が楽になると思います!
ある程度工具が揃って買う工具を悩んでいる方や私のように見た目が好きな方など、気になる方はぜひ購入してみてください!