こんにちは、ウミガメ(@umigametool)です。
自動車整備では最近、電動工具の波が来ているのを感じます。
工場内での作業がメインという事もあり、これまではエアツールがメインでした。
しかし電動の工具を使ってみるとやはり便利です。
スナップオンやDewalt(デウォルト)、マキタなど様々な電動工具が使われていますが、最近話題になっているのがMilwaukee(ミルウォーキー)です。
そんなミルウォーキーから注目の新商品が発売されました。
1/2SQのインパクトレンチ「FIW2F12」です。
他の1/2SQインパクトレンチと比べてどこが良いのか・・・
細かくレビューしていきたいと思います!
ミルウォーキー:1/2SQインパクトレンチ「FIW2F12」の特徴・おすすめポイント
高トルク
「FIW2F12」のおすすめポイントとして1番に挙がるのが「トルクの強さ」です。
最大緩めトルク745Nm
最大締め付けトルク542Nm
と1/2SQの電動インパクトレンチでは最強クラスのトルクとなっています。
自動車の整備では「ホイールナットの脱着ができるか」という点が電動インパクトの使いやすさの目安になってきます。
私の経験では1/2SQで200Nmが一つの目安で、それ以上あれば不満なくホイールナットを外すことが可能です。
本記事で紹介している「FIW2F12」は最大緩めトルクが745Nmなので全く問題なく外せます。
それどころか、足回りなどの硬く締まったボルトナットにも問題なく使用できそうな高トルクですね!
小型・軽量
「FIW2F12」は高トルクだけでなく小型・軽量なのもポイントです。
実際他メーカーでは18Vなどの大きいインパクトレンチでは同じくらいのトルクを出しているものも多くありますが、ミルウォーキーは12Vです。
その分本体もバッテリーも小型になっているのでかなりの軽量になっています。
タイヤの脱着作業が多い方(寒い地方やタイヤ量販店など)には特に嬉しいポイントですね。
足回りなどでは意外とインパクトレンチの大きさが重要な場合が多く、少しの差でアクセスできない・・・となる事も。
「FIW2F12」は小型なため、周りの部品に邪魔されることも比較的少なくなっています。
この高トルクでここまでのサイズを実現しているのはホントに驚きです!
4種類の制御機能
「FIW2F12」には4つの制御機能(トルク・回転数設定)が搭載されています。
①930rpm/271Nm
②2100rpm/406Nm
③3000rpm/542Nm
④1300rpm/20Nm
の4つです。
①~③は単純に強さやスピードの設定、④は締めすぎ防止(増し締め前提)の設定となっています。
トリガーの引き加減でもスピードや強さを調整できますが、実際にしばらく使ってみてトルクが強いからか締めすぎも何度かありました。
トルクレンチを使っていても、そもそもインパクトレンチで締めすぎてしまうと意味がないので④の機能も便利そうですね!
コスパが良い
「FIW2F12」は電動インパクトレンチではコストパフォーマンスに優れています。
私の場合は大手通販サイトで
インパクトレンチ本体:36080円
充電器・バッテリー2個:19580円
の合計55660円で購入しました。
(実際はポイントも付いたのでもう実質価格は少し安いです。)
価格だけを見ると「普通?」と感じるかもしれませんが、このトルクを考えるとかなり安い部類に入ります。
同じくらいのトルクで他のインパクトレンチを探すと10万円前後するものも多く、そう考えるとかなり安いですよね?
私のように買い替えはもちろん、家でタイヤ交換をやるために検討されている方や初めての電動インパクトレンチを探している方にピッタリなインパクトレンチになっています!
ミルウォーキー:1/2SQインパクトレンチ「FIW2F12」のデメリット
緩め時にも4段階の制御機能がある?
公式サイトや取扱説明書を読んでも記載が無いのですが、実際に使っていると緩め時にも4段階のトルク設定があるような気がします。
基本的には問題ないのですが、気になったのは④の締めすぎ防止モード→緩めに移った時。
緩めでもかなりの低トルクになっているのか緩めきれません。
④の機能自体はとても便利な機能だと思うんですが、締めと緩めで設定まで変えないといけません。
毎回設定を変えるとなると結構手間ですね・・・
実際私は④の機能を使いたいと思っていますが、その手間があるので基本的に使っていません。
トリガーでの調整をしている状態です。
専用カバーが無い
「FIW2F12」にはまだ専用カバーが出ていないようです。
元々販売していた339Nmのモデル「FIWF12」には専用のカバーがラインナップされているので、今後きっと販売してくれるとは思いますが・・・
私もカバーは付けておきたいと思っているのですが、販売待ちでカバー無しで使っている状態です。
私と同じようにカバーを付けて使いたい方は注意しておきましょう。
回転方向のスイッチに手が当たる
「FIW2F12」の回転方向の切り替えはグリップ上部にあるスイッチで行います。
右手で持った時に親指側を押すと緩め方向、人差し指側を押すと締め方向です。
中立位置だと回転せずにトルク設定モードになります。
この切り替え自体はよくあるタイプなんですが、そのスイッチの位置が絶妙に気になります。
特に人差し指側。ちょうど指が当たるような位置に付いていて押してしまいそうになります・・・
実際気にしていれば問題は無いのですが、ふとした時に意図せず切り替わることがあるので若干モヤっとします。
ちなみに私はトリガーを中指で引くことも多々ありますが、その場合は完全にスイッチに被ってしまいます。
慣れれば私のように気にならないかもしれませんが、最初は気になる人も多いかも?
トルク実はそこまで強くない?
カタログ値で
締め方向:542Nm
緩め方向:745Nm
との事で、メリットの項目にも書きましたが実際それだけの強さが出ているのかは微妙です。
元々私が使っていた1/2SQで200Nmのインパクトレンチと比べるとハッキリと強いのは分かりますが・・・
745Nmとか542Nmとか言われると「ホントか・・・?」と思ってしまいます(笑)
私の場合バッテリーを3.0Ahのものを使っていることもあって、トルクがしっかり出ていない可能性も高いです。
トルク重視の方は6.0Ahのバッテリーをおすすめします。
ミルウォーキー:1/2インパクトレンチ「FIW2F12」のサイズ・重量
全長
全長は124mm。
写真を見ただけでもかなりコンパクトな作りになっているのが伝わるかと思います。
このサイズならかなり色々なところで使用できそうですね。
ちなみに使用する上であまり気にならないかもしれませんが、全高は210mmでした。
幅
幅は60mm。
これは細くもなく太くもなく普通と言った印象。
重量
重量は3.0Ahのバッテリーを付けた状態で約1.2㎏
かなり軽いインパクトレンチとなっています。
ちなみに本体だけだと約1.0㎏、一番大きい6.0Ahのバッテリーを付けても約1.4㎏と軽量です。
バッテリーを大きいサイズにすると多少増えますが、そもそもが軽いので大きいバッテリーを使っても重量はあまり気にならないかもしれません。
ライト付き
電動インパクトレンチでは当たり前くらいの機能ですが、「FIW2F12」にもライトが付いています。
トリガーを引くと点灯し、しばらく放置していたら自動で消灯します。
出張での作業時や、工場内の陰になって暗い所などでもライトがあると便利に使用できますね。
実際に持ったところ
実際に持ったところです。
かなり小型なのが分かるかと思います。
重心がしっかり手の位置にあるので体感ではさらに軽く感じ、扱いやすい印象です。
他インパクトレンチとのサイズ比較
私が持っているインパクトレンチとの比較です。
左から
ミルウォーキー「FIW2F12」
ボッシュ「GDX18V-200」
シナノ(エアー)「SI-1600B」
スナップオン「CT861」
となっています。
関連記事:【ブレシレス】改良されたスナップオンの電動インパクトレンチ「CT861」を紹介【小型・軽量・ハイパワー】
全長の短い順で左から並べています。
インパクトレンチの上側を揃えているので全高も比較していただけるかと思います。
こうやって見ると「FIW2F12」のコンパクトさが分かりやすいですね。
バッテリーについて
ミルウォーキーのM12シリーズのバッテリーは
2.0Ah、2.5Ah、3.0Ah、4.0Ah、5.0Ah、6.0Ahと容量の違いで多くの種類があります。
私は充電器とセットになったスタートキットを購入したので3.0Ahを2つ持っています。
もちろんM12のものならどれでも使用できますが、3.0Ah以下と4.0Ah以上では形状が大きく異なります。
3.0Ah以下のものは丸くスッキリとした形状になっており、脱着がやりやすくなっています。
4.0Ah以上のものは底面が広がっており、立てた時にかなり安定感があります。
ちなみに3.0Ah以下のバッテリーでもインパクトレンチを立てる事はできますが、安定感が無くすぐ倒れてしまいそうです。
3.0Ah以下のバッテリーを使いたい方は横に寝かせて置く前提で考えましょう。
(ホイールナットソケットを取り付けた状態でも一応立ちます)
単純なバッテリー容量だけでなく、パワーも多少は変わってくるのでバッテリーは慎重に選んだ方が良さそうです。
ミルウォーキー:1/2インパクトレンチ「FIW2F12」のレビューまとめ
本記事ではミルウォーキーの新型インパクトレンチ「FIW2F12」を紹介しました。
実際に使ってみてもトルクの強さを感じることができ、サイズと相まってかなり使えそうと感じました。
デメリットの項目もいくつか書きましたが、私はもう慣れましたしそこまで深刻にダメなところは無いと思っています。
正直な話745Nmまでは出ていないのでは?という印象は受けますが、それでも最大トルクの設定で回すと締めも緩めもかなり強く感じます。
トルクだけで言えば同メーカー別メーカー含め18Vなどさらに大きいモデルが多数存在しているのでそちらが良いです。
しかしこのインパクトレンチは「このサイズ・価格でこれだけのトルクを出せる」と言うところがポイントです。
もちろんこれより強いインパクトレンチを持っていたら便利ですし、助かることもあります。
でも普段使いするなら「FIW2F12」のサイズはちょうどいいですし、これより大きいものは大きすぎて使いづらい事も多いかと思います。
価格面でもバッテリー・充電器まで揃えて5万円台で揃うのは嬉しく、家でスタッドレスの入れ替えなどをやるようなサンメカさんにも選びやすいですね。
ぜひ工具選びの参考にしてください!