こんにちは、ウミガメ(@umigametool)です。
自動車の整備をしているとボルトナットを脱着する時に落としてしまいそう・・・という場面って結構ありますよね。
・エンジンルームで部品の隙間からアクセスする時
・車内で手を添えられない狭いスペースで作業している時
などなど、そういうシチュエーションは割と多いものです。
そんな時に活躍するのがボルトナットを保持する機能がついたソケットです!
ボルトナットがソケットに勝手にくっ付いてくれるので手で支える必要がなく、楽に作業ができるようになります。
本記事ではそんな保持機能が付いたソケットから
SIGNET(シグネット):マグネットディープソケット
Ko-ken(コーケン):ナットグリップソケット
をそれぞれ紹介します。
SIGNET:マグネットディープソケットの特徴・おすすめポイント
・ボルトナットにハメやすい
マグネットで保持するタイプのソケットの特徴として1番おすすめしたいポイントが「ボルトナットにハメやすい」ということです。
内部にマグネットがありますが、ソケット自体は通常のものと変わりません。
使用した感覚としては
「普通のソケットを使ったらボルトがくっついてた」
という感じです。
通常の六角ソケットにかなり感覚が近いのでとても使いやすく、普段使いとしてもおすすめです。
・買いやすい価格
マグネットで保持するソケットは他のメーカーからも出ていますが、シグネットが人気の理由として価格が安く買いやすい事が挙げられます。
1本ずつの単品でも販売されてますが、私が購入した5本セットでも4250円とかなり買いやすいです。
セット内容も8.10.12.13.14mmと使用頻度の高いセットとなっているので購入する場合はセットを買った方が良さそうですね。
割れたり無くしたりした場合も単品で販売されており、それぞれ1000円程度で購入できるのも買いなおしやすく良いですね!
・強めの保持力
私の勝手な印象としてマグネットタイプは保持力が弱いのでは・・・と考えていました。
しかし、実際に購入して使用してみると保持力が意外と強い!
元々コーケンのナットグリップソケットを使用していましたが、比べてみてもほぼ同じくらい。
SIGNETの方がほんの少し強いのかな?
というところでした。
外径が細め
本記事を書くにあたってコーケンのナットグリップソケットと外径を比べてみたのですが、シグネットの方がほんの少し外径が細く作られているようでした。
同じか0.1mm程度の違いでしたが、シグネットの方が太いものはありませんでした。
シグネットがソケットの内部に加工してあるのに対し、コーケンは先端にスプリングとボールを入れているため薄くできなかったのかな?
と勝手に想像していますが、理由は定かではありません(笑)
他メーカーではシグネットより細いものがあるかもしれませんし、コーケンとの比較でも0.1mm程度の差だったので気にする程度でもありませんが、細さを重視する場合はシグネットは良さそうですね。
SIGNET:マグネットディープソケットの悪い点・デメリット
色がすぐ剥がれる
シグネットのマグネットディープソケットの特徴として「鮮やかなブルーの見た目」があります。
単純にあまり見かけない色ですし、作業する上でも目立って無くしにくいかな?と思います。
しかしこの青い色、すぐに剥がれます。
色々な人から聞いてはいましたが、私もすぐに剥がれてきました。
長く使用している人はかなりボロボロになっている方も多いみたいですね。
色が剥がれても性能的にはほぼ変わらないかとは思いますが、せっかくキレイな色なのでできれば剝がれにくく作ってほしかったですね。
購入する場合は頭に入れておきましょう。
サイズラインナップが少ない
とても買いやすく、使いやすいシグネットのマグネットディープソケットですが、サイズのラインナップが少ないのは残念です。
私は8.10.12.13.14mmの5本セットを購入しましたが、その5サイズしかありません。
個人的には17mmくらいまでは持っておきたいのと、ショート(スタンダード)タイプもあれば十分かな?というところです。
と言っても実際よく使用するサイズは入っていますし、困ることはあまりないのではないでしょうか?
鉄のボルトナットにしか使えない
マグネットタイプのデメリットとして見落とせないのが「鉄のボルトナットにしか使用できない」ということ。
自動車には様々なボルトナットが使用されていますが、鉄製じゃないものもあります。
よく見かけるもので言うとステンレスでしょうか。
基本的にはエンジンルームや車内での使用が多くなるので鉄製のボルトナットが多いとは思います。
整備士のようにある程度使用頻度の高い方の場合はどちらにも対応できるボールなどで保持するタイプを持っておきたいですね。
鉄粉などが付く
マグネットタイプの宿命ですが、使っていると鉄粉などのゴミが付くことも・・・
整備工場なんてそこらに鉄粉・鉄くずがあるような環境なので、気づかないうちにくっ付いてしまう事も考えておきましょう。
出張整備や足回りでの使用など、地面に工具を置くような場面があれば特に気を付けたいところです。
工具置きとしてトレーなどを使えば鉄粉などの付着を減らせるかと思います。
SIGNET:マグネットディープソケットの各部詳細
サイズ
全長は63.2mm
カタログ値は63mmになってますね。
5サイズともすべて同じ長さとなっています。
先端部の外径は
8mm:12.1mm
10mm:14.5mm
12mm:16.7mm
13mm:17.7mm
14mm:19.7mm
となっていました。
マグネット部
ソケット内のマグネット部はこんな感じになっています。
スプリングが内蔵されていて奥に押し込まれるのでボルトが出ていて奥の方にあるナットにも対応できます。
Ko-ken:ナットグリップソケットの特徴・おすすめポイント
ボルトナットの素材を選ばない
コーケンのナットグリップソケットはソケット内側に付いているボールでボルトナットを保持します。
ボールで保持するタイプはマグネットタイプとは違い、素材によって使えないという事もありません。
自動車に使われている多くのボルトナットは鉄製かと思いますが、場所によってはステンレスや樹脂製のものも使われていたり・・・
自動車に使われているかはわかりませんが、真鍮やアルミ、チタンなどのネジもありますよね。
ボール保持タイプならそのあたりを気にすることなく使用できて便利です。
低頭ボルトにも対応
コーケンのナットグリップソケットはボルトナットを保持するためのボールがソケットの先端ギリギリあたりについています。
ボール保持タイプでもメーカーによってはボールの位置が少しだけ先端から離れているものもありますが、そのほんの少しの違いで低頭(頭の短い)ボルトを保持できないことも・・・
低頭ボルト自体がよく使われているものでもありませんが、ほとんど見かけないという程でもないのでしっかり対応したものを持っておきたいですね!
サイズラインナップが豊富
コーケンがソケットメーカーという事もあり、サイズのラインナップはかなり豊富です。
使用頻度の高い種類で言うと
1/4SQ(6.35差込)
・ショート
7.8.10.12.13.14mm
・セミディープ
8.10.12.14mm
・ディープ
8.10.12.14mm
3/8SQ(6.35差込)
・ショート
8.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.21.22.24mm
・セミディープ
8.10.12.14mm
・ディープ
8.10.12.13.14mm
・エクストラディープ
10.12mm
といった風にかなり豊富なラインナップとなっています。
その他にも
・1/2SQ
・トルクスタイプ
・ユニバーサルソケットタイプ
などもあります。
色々なサイズ、種類を同じメーカーで揃えたい方はコーケン一択ですね!
めがねレンチ等も使える
ナットグリップソケットには根本部分が六角形状になったものがあります。
六角ですのでメガネやスパナなどで回すことが可能です。
メガネなどに挿し込む形で使用するので、ラチェットハンドルに取り付けるよりさらに狭い隙間で使用することが可能です。
メガネなどに取り付けた場合に保持する機能がないので、普通に使うとソケットが落ちてしまいます。
コスト(価格)や強度の面を考えて保持機能を付けていないみたいですね。
使うときはシールテープやマスキングテープで抜けないように調整して使用すれば問題ないかと思います。
よく使用する機能ではありませんが、ソケットの特性上持っていたら助けられることもありそうです。
サイズはショート(スタンダード)タイプの8.10.12.13.14.17mmのみ。
Ko-ken:ナットグリップソケットの悪い点・デメリット
少し価格が高め
ボルトナットを保持するソケットは色々なメーカーから販売されています。
先に紹介したシグネットもですが、価格面で見るとコーケンより安いものもたくさんあります。
サンメカさんのように使用頻度が低い、ほとんど使わないような方だとナットグリップソケットは購入しづらいかもしれません。
ただ、コーケンはソケット自体の信頼度も高く、コーケンにしかないメリットもあります。
デメリットとして「価格が高め」と書きましたが、めちゃくちゃ高いというワケでもないです。
ソケット自体の信頼度も高くコストパフォーマンスが良いため、多くの整備士から愛用されています。
価格以上の価値がある工具かと思いますので選択肢の一つに入れて欲しいところです!
保持できていないことがある
使用していてたまにあるのがボルトナットをしっかり保持できず、落としそうになったり実際落としてしまったり・・・
ソケットにボルトナットをはめ込む時、ほんの少しですが抵抗があります。
その時にしっかり奥まで入っていなかったり、回している内に少しズレてしまったり。
単純な保持力で言えばシグネットもコーケンもほぼ同じくらいですが、作業時の安心感で言えばシグネット(マグネットタイプ)の方が少し安心感があります。
もちろんマグネットタイプでも落としてしまうことはあるので、どちらにせよ気を付けて作業したいですね。
Ko-ken:ナットグリップソケットのサイズ
ナットグリップソケットは種類などがかなり多いため、使用されることの多いショートとディープのサイズ一覧をカタログから載せておきます。
ショート(スタンダード)
ディープ
参考にどうぞ。
通常ソケットに保持機能を付与させるアイテム
本記事ではソケット自体に保持機能があるものを紹介していますが、それ以外にもボルトナットを保持させるものもあります。
場合によってはこのあたりを使うのもアリですね。
SK11:ソケット用マグネットキャッチ
ソケット内部にマグネットを取り付けることで保持機能を持たせるものです。
価格を安く抑えることができ、ドーナツ形状なのでボルトが長い場合などにも対応できます。
ソケットサイズは1mm刻みで10~19mmまでのものが多いようです。
SIGNET:マグネット付エキステンションバー
コチラはエクステンションバーの先端にマグネットが付いたもの。
通常のエクステを使用するように使うだけなので簡単に使用できます。
1つ持っていればソケットのサイズに関わらず使用できるのは嬉しいですね。
マグネットの長さが決まっているのでショート(スタンダード)タイプのソケットにしか使用できません。
最初からエクステを使う前提なので、部品まである程度奥行きが無いと使用できない(狭い所で使用できない)点にも注意が必要ですね。
保持機能付きソケットの紹介まとめ
本記事では
SIGNET;マグネットディープソケット
Ko-ken:ナットグリップソケット
を紹介しました。
文中でも少し書きましたが、私はもともとコーケンのナットグリップソケットを使用していました。
マグネットタイプは今回SIGNETを購入して使ってみましたが、予想以上に使いやすくてビックリしました(笑)
ただ、「手を入れにくいスペース」での使用が多くなる保持機能付きのソケット。
ショート(スタンダード)タイプのソケットはラインナップしておいてよかったのでは・・・?
と思うところです。
どちらもあった方がエクステでの長さ調整もしやすいですしね。
ナットグリップソケットに関しては「使いやすさ」の点でほんの少しマグネットタイプに負けているかな?と思いますが、ほぼ不満はありません。
悩んだらナットグリップソケットを購入しておけば間違いないです(笑)
ボルト保持機能付きのソケットは整備をやっているととても便利で使用頻度もそれなりに高い工具です。
持っていない方もいらっしゃるかと思いますが、便利な工具なので持っておいて損はありません。
少しでも工具選びの参考になれば幸いです♪
その他、整備士のおすすめの工具は