家でも仕事でもよく使う工具の一つにドライバー(ねじ回し)があります。
よく使用するのはプラスやマイナスのドライバーですが、サイズもいくつかあり複数のドライバーを揃える必要があります。
整備士などの仕事で使用する場合はまだキャビネットやチェストの中に入れておけば良いですが、家庭用や持ち運び用としては何本も持っておくのは場所を取ってしまいます。
本記事ではそんな家庭用や持ち運び用としておすすめの工具、Wera(ヴェラ)の「クラフトフォームコンパクト28」(KK28)を紹介します。
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28の特徴
ビット収納式
WeraのKK28は先端に付けるビットがグリップの中に収納されています。
収納されているビットを取り出す時はグリップエンドの「PRESS」ボタンを押します。
するとグリップが2つに分かれ、ビットが出てきます。
コチラがビット収納部を開いた状態です。
ビット式のドライバーは持ち運びには便利ですが、ビットを無くしやすいです。
収納式になっている事で運搬時や収納時にビットの紛失を減らしてくれます。
シャフト(軸部分)伸縮式
KK28はシャフトも伸縮式になっています。
グリップ先端部のグリーンの部分をグリップ側に押し込むと、収納されているシャフトが「シャキン!」と伸びてきます。
下の画像がシャフトを伸ばした状態です。
サイズ的には通常のドライバーとほとんど変わらないくらいの長さになります。
ちなみに伸ばす場合はグリーンの部分を半分くらい押し込み、縮める場合はさらに押し込んでシャフトを押し戻します。
戻す場合に微妙にコツがいるかもしれませんが、すぐに慣れるかと思います。
(画像上が伸ばす場合、下が縮める場合)
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28のサイズ・重量
全長
縮めた状態だと全長は約145mm。
かなり小さくなるので収納時もコンパクトなスペースに収納可能です。
伸ばした状態だと約190mm。
通常のドライバーと変わらない長さですね。
ちなみにビットホルダー部まで伸ばすと約220mmとなります。
グリップ部の径
グリップの径は一番太いところで39.6mmです。
Weraの通常のドライバー(3番・画像左)と比較すると、ほとんど同じサイズとなっています。
グリップ先端の方が少し細いですが、使い心地(持ち心地)はほとんど変わりません。
重量
重量は143g。
通常のドライバーが約100g程度(weraのダイヤモンド2番)なので、ドライバーを何本も持ち歩くのと比べたらかなり軽量になるかと思います。
実際に持ったサイズ感
実際に持ったところです。
手の小さい私でも違和感なく持つ事ができます。
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28のビット入り組み
KK28のビットは6種類入っています。
内容は
・プラス(+、PH)1番、2番
・マイナス(-)1.5×5.5、1.2×6.5
・ポジドライブ(PZ)1番、2番
となっています。
プラスとマイナスはよく使用しますし、入っているのもよく使うサイズですね。
問題はポジドライブ。
聞きなれない方もいらっしゃるかと思います。
ポジドライブはプラスによく似た形状ですが、よく見ると「米」のような形状になっています。
日本ではあまり見かける事のないネジですが、IKEAの家具などに使われているようです。
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28のデメリット
先端(ビットホルダー部)が太い
当たり前ではありますが、ビットを交換して使用するタイプなので通常のドライバーに比べるとビットホルダー部が太くなっています。
ほとんど問題にはならない程度ですが、家庭用として使う場合はおもちゃの電池交換などで奥まったところにネジがある事もあります。
もしかしたらビットホルダー部が邪魔になって届かない・・・という事もあるかもしれません。
ビットが先端から取り外しづらい
ビットを先端に付けたときは磁石で固定されます。
取り付けはとても簡単にできるのですが、問題は取り外し時・・・
磁力とビットの持ちにくさで、ビットを取り外すのがちょっと難しいんです。
少し頑張ればもちろん手でも取れますし、何か滑りにくいものでビットを挟めれば簡単に取れるんですが、もう少しだけ取りやすければ不満も感じなかったところ。
磁力がもう少し弱いか、ビットがもう少し出ていたら持ちやすくて取りやすいのかな?と思います。
ビットのセット内容が微妙
使用する用途にもよりますが、ビットの内容は微妙かと思います。
特にポジドライブ。
IKEAの家具をよく組み立てる方とかなら良いですが、それ以外ではほとんど見かけないネジです。
ほとんど使用するのはプラスのビットかと思うので、こだわる方はプラスのビット以外も買いなおしてよく使うものを入れておくのも良いと思います。
ちなみに家庭用として準備しておくなら
プラス:0番、3番
六角(HEX):3、4、5mm
あたりが良いのではないでしょうか?
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28のメリット
場所をとらない
KK28を購入・使用する一番のメリットは「場所を取らない」ということです。
ビットが6個収納できるので、単純に考えるとKK28ひとつで6本分のドライバーを持っている事になります。
出張修理が多い方や、車載用として考えている方は特に工具を載せる量が限られています。
そんな時にはとても重宝するドライバーですね。
私は家用のドライバーとして愛用しています。
精度が高い
ギミックの方に目が行きがちなKK28ですが、ドライバーメーカーとして人気の高いweraのドライバーですので先端の精度もかなり高いです。
精度が高い分ねじの頭を潰したりする事も減るので、工具を使い慣れていない女性や子どもでも比較的安心して使用する事ができます。
よく使う工具だからこそ精度の高い、良い工具を使いたいところですね。
磁力でネジを保持できる
ビット自体にはもちろん磁力は無いのですが、ビットの固定を磁石で行っているため磁力が伝わりネジもビットにくっつきます。
奥まったところで使用する場合などはネジを手で保持できなかったり、直接ネジ穴に仮止めするのが難しい事もあるので磁力でネジが保持できるのは便利です。
デメリットの項目で「ビットが取り外しづらい」と書きましたが、磁石によるメリットもありますね。
カッコいい
単純な話ですが、変形するメカはかっこいいですよね(笑)
私の購入理由として大部分を占めていたポイントですが、同じように心動かされる人は少なくないと思います。
見た目のデザインやギミックなどは工具を選ぶ上で重要視されない事も多いですが、そういう細かくても好きなポイントが多いほど愛着も沸きますし長く大切に使い続ける事ができるかと思います。
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28の類似品
WeraのKK28は中々おもしろいドライバーですが、似たようなビット格納式のドライバーは沢山あります。
その中で候補になりそうなものを2つだけ紹介します。
Wera:クラフトフォームコンパクト25
同じメーカーWeraから「クラフトフォームコンパクト25」
本記事で紹介したKK28とほとんど同じですが、先端のビットホルダー部がロック式になっています。
KK28はマグネット式なので作業中にビットが外れてしまう事があるかもしれませんが、KK25ならその心配がありません。
ビットの内容も
プラス:1、2、3番
マイナス:0.6×4.5、1.0×5.5、1.2×6.5
と使いやすくなっています。
Weraからは似たようなビット格納式のドライバーが機能違いでたくさん販売されているので、一番好みのものを探すのも良いと思います。
VESSEL(ベッセル):TD-6808MG
日本のドライバーメーカー「ベッセル」からも格納式のドライバーが発売されています。
ベッセルはWeraやPBに比べるとかなり安価で購入する事ができ、精度もかなり高く人気のメーカーです。
ギミックの面白さこそ劣りますが、ビットは8本内臓(プラス1、2、3、マイナス6mm、ヘックス2.5、3、4、5mm)でラチェット機能付きとセット内容や使いやすさも十分です。
ネットでは1000円程度から購入できますのでコスパ重視の方にはおすすめです。
Wera(ヴェラ):クラフトフォームコンパクト28のレビューまとめ
本記事ではWeraのビット格納式ドライバー「クラフトフォームコンパクト28」を紹介しました。
もしかしたら日本では「アクティブインサイダー」という名前の方がわかる人が多いかもしれません。
Weraのホームページやパッケージ等を見てもアクティブインサイダーの表記が無かったので今回は「KK28」で書かせて頂いています。
KK28はギミックがとてもかっこいいドライバーで、購入したら遊んでしまう事間違いなしです(笑)
もちろんドライバーメーカーとして人気の高いWeraですので、実際に使用する場合も安心して使用する事ができます。
本記事では家庭用や持ち運び用として紹介しましたが、工具好きな方の記念日や新築祝いとしてのプレゼントとしても最適かと思います。
とても面白いながらも実用的なドライバーですのでぜひドライバー選びの候補に入れてみてください。
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